監視カメラはIPカメラの時代。
――と言われてもピンと来ない方がいらっしゃると思います。
今まで監視の分野では耳にすることのなかったIPという言葉が、今や監視カメラのスタンダードの座に就こうとしています。
IPカメラを導入すると、どう変わるのか。どう便利になるのか。
それを、こちらでご案内させていただきます。
- ケーブル接続がスッキリ!
まず大きく変わるのが、ケーブル接続の方法です。
従来通りの、アナログカメラを使った方法では、一台ごと一本の映像ケーブルを監視の機材まで伸ばして接続していました。
この場合、監視の設備はカメラの台数が増えるほど多くのケーブルを接続しなければならず、監視機材の裏側は10台程度の接続でも大変混み合ってしまっていました。

《 機材の裏はカメラの台数分のケーブルが接続されて非常に煩雑な状態 》
《 垂れ下がるケーブルの重さで機材のコネクタ部分に負担が掛かってしまう事も気になります 》
そしてカメラと監視機材までの間も、まとめきれないケーブルでぐちゃぐちゃになっては絡んでしまい、配置変更などで一部のカメラを移動させる場合に苦労してしまうものでした。

《 ケーブル同士が絡み合わないようにするのは難しい状況になりがちです 》
アナログカメラの構成ではどうしても逃れられなかったこの機材に取り付けるケーブルの問題。
それが、IPカメラですとだいぶスッキリさせる事が出来ます。

《 IPカメラの場合、機材の裏はLANケーブル1本で接続されるだけでOK 》
たった一本のLANケーブルで、接続台数は機材が対応する限り無制限。実際、32台を集中して監視するシステムの場合にも、このようにLANケーブル一本で接続されています。
アナログカメラでは台数分必要だったケーブルは、一体どうなってしまったのでしょうか?

《 IPネットワークを使えば、ハブやルータなどにケーブルが集約されます 》
IPカメラはLANという汎用ネットワークを使って接続されますが、この方式の場合、ハブという機材を中心に接続(スター型接続と言われます)されるため、監視機材はケーブルを集約する場所ではなく、ネットワークにぶら下がったひとつの機材として扱われ、たった一本のLANケーブルで構築できるようになるのです。
さらにこの方式の良いところは、専用のキャプチャーボードなどの機材が必要無いこと。LANの接続口は現在販売されているパソコンであれば、ほぼ確実に用意されています。一般的にこのLAN接続を使用する、インターネットを行うための接続と共用が出来るのです。
つまり、LAN接続でインターネットを接続しているのであれば、そのネットワーク内にIPカメラを追加すれば、それだけで追加機材の購入は必要なく監視が始められるのです。
この、設備投資が削減できる点が、IPカメラを導入する際の大きなメリットになります。
さらに、カメラに取り付けられたケーブルとしてもうひとつ、カメラを稼動させるために必要な「電源」があります。通常は映像ケーブルと電源の最低限2本のケーブルが必要なため、ケーブルの取り回しは厄介になっていました。

《 PoE対応のIPカメラなら、LANケーブルに電源を乗せて接続できるので一本で済みます 》
アナログカメラで同軸ケーブルに電源も乗せて接続できる「重畳電源方式」のものがあるように、IPカメラでは「PoE(Power over Ethernet)」という方式によって、LANケーブルに電源供給も追加して、一本で済ませる事が可能です。
この場合にはPoE対応のカメラと、ハブにPoE給電機能を持っている物を使用するか、給電用のアダプターをハブとカメラの間に設置する事で電源供給が可能となります。同軸ケーブル接続で直接、重畳電源に対応するカメラは限られましたが、PoE対応のIPカメラは多くリリースされていますので、用途に適合したカメラが選択できるでしょう。
接続を行うためのケーブルを減らすことが出来れば、設置する手間やコストが必然的に下げられます。
映像だけでなく音声もマイクを内蔵したカメラから取得したり、PTZ機能を有するカメラの操作を行う場合などは、アナログカメラに関しては別途音声ケーブルやRS485などの接続が必要でしたが、IPカメラの場合はやはりLAN接続に集約されますので、それらのケーブルも必要なく、一本のケーブルで接続が完了します。
そのLANケーブルですが、現在は多くの家電ショップで販売されているため入手性が非常に良く、多く流通しているため単価も安く、10mのものが1000円程度で購入できます。同軸ケーブルに比べても安価で、本数や長さも削減できますので、結果として設置コストが安価に済ませられます。
- 携帯電話やスマートフォンで遠隔監視ができる (※対応機種に限る)
IPカメラはインターネットと同じLAN接続を行い、ひとつのネットワークをインターネットと共用できることは上でも触れました。
となれば、インターネットの導入率が高い昨今のパソコンの使用状況からすると、ほとんどの環境でインターネットと共用する事になると思います。
そうした場合には、インターネット回線を通じて外出先からIPカメラの映像を確認できる「遠隔監視機能」が、追加設備の必要がなく行えるようになります。(※遠隔監視機能を有したカメラと、ダイナミックDNSサービスへの登録などが必要です)

《 代表的なスマートフォン『iPhone』で遠隔監視を行っている例 》
監視を行うのは、犯罪が行われた記録をする事はもちろん、発生時にすぐさまそれを察知し警察への通報を行い、被害を最小限に抑える目的があります。しかしその為には、外出先でも犯罪の発生をいち早く知る必要があります。
遠隔監視機能を利用すれば、いつも持ち歩いている携帯電話やスマートフォンで見たい時にいつでも監視映像をチェックすることが可能で、もし異常が発生して監視システムからアラームメールが飛んできた場合にも、その異常を即座に外出先から確認し、迅速な通報が行えます。